作品紹介

『野馬臺詩考』園田 豪 (2022/3/3 発売)

「日本の歴史や未来ではなく、殆どが中国における姫姓の歴史であり、その継承者である北魏から倭国にその姫姓が伝わったことを示していることが分かった。そして、そこから明らかになった中国の故事の順に並び変えると、通常のように意の通る文章が現れたのである。野馬臺詩は予言の類ではなく、歴史書に近いものだが、そこに秘められた驚愕の歴史を知っていただきたい。」

と、著者である園田豪が語っています。

なお、野馬とは遊絲、即ち晩秋に蜘蛛が吐き出した絲をもって風に乗り、新天地に翔ぶことを表し、野馬臺は倭国を連想させ、臺は朝廷のある所を指しています。詩の題といい、蜘蛛の助けで読み解く話など、よくよく練られたものであり、1300年間解けなかった謎を存分にお楽しみ戴けると思います。

『明月記』解明 藤原定家の実像 園田 豪 (2022/7/15 発売)

「かくも面倒な『明月記』を読み、解読した。その結果藤原定家は後鳥羽上皇とは相生の松と表現するほどの親愛なる関係であり、後鳥羽上皇の勅勘事件などは全て承久の変で上皇側が鎌倉幕府側に敗れた時に備えての定家温存策、すなわち天皇家、藤原氏の漢家本朝としての機密を相伝していくためだったと判明した。従来の定家像とは全く異なる定家像が出現したのである。表向きの姿は、あくまで後鳥羽上皇とは相いれぬ関係を貫いた定家であるが、そのような関係であると、又歴史がそのようなものであると子孫にまで思われることは定家にとって耐えられることではなかったのだろう。本文に記した多くの項で明らかなように、一般人はいざ知らず、漢籍に造詣が深く、和歌にも、『源氏物語』などにも通じた真の識者にだけ分かる方法で、真実を残したかったのだと思う。解読を終えて定家の心が私に迫って来るのを感じた。」

上記、著者による紹介文を抜粋しています。

『明月記』(めいげつき)は、鎌倉時代の公家である藤原定家の日記と言われています。その『明月記』を著者である園田豪が解読しています。藤原定家が残した真実とは何か…?藤原定家の話したかったことを読み取り、書き記した一冊になっています。

『かくて本能寺の変は起これり』園田 豪 (2022/12/11 発売)

「事実は小説より奇なり。」

本能寺の変の本当の原因や状況がどういうものであったかは謎の部分が多く、その理由は資料が少ないことにあります。太田牛一が羽柴秀吉の命を受けてまとめ上げた『信長公記』が主たる資料。何故かというとそれは、本能寺の変の前夜信長は主要な公家たちも招いて大茶会を開いたのだが、その公家たちの日記はその部分が削除されているらしいからです。つまり本能寺の変について語るのは憚られることだったのでしょうか?「現代に伝わり、流布するものは、もしかしたら真実ではないということかもしれない…」という著者 園田豪の疑問から、新しい『本能寺の変』の物語が書かれています。大河ドラマなどとの違いを味わって欲しい一作品です。

『キンバリーの淵』園田 豪 (2023/9/1 発売)

「依頼を受けた伊達清と小泉千代の二人が石油開発会社の担当責任者をターゲットとしてオーストラリアに乗り込む。担当者たちが休暇をエンジョイする北部のエル・クエストロの丘の上で、プライベートなワインタイムを楽しむ中、担当者が連れ去られる。船に載せられ、川の真ん中で、川に落とされる。」

園田豪の海外アクションシリーズ『キンバリーの淵』では、オーストラリア北岸の景色、アボリジニーの文化、エル・クエストロの雄大な自然などが文字から流れ出て、頭の中に映像を結ぶ、そんな体験ができる作品となっています。